実家暮らしの手帖

食う寝る遊ぶに住むところの機微を綴るブログ

2019-01-01から1年間の記事一覧

汚れちまいたい純情に

こんにちは、ぐりです。 昨日まで実家の上空に広く居着いていた執拗な雨雲が去り、朝からすっきりとした青空が紅葉の進む晩秋の木々に清澄な明るさを添えています。 小学生の頃、雨の日や寒い時期には、子どもたちは昼休みや放課後にみんなで体育館に集まっ…

プロフェッショナルな野暮と洗練〜『六花亭』の甘味たち

冷たい雨の降りしきる中、午後から父の囲碁仲間が来るというのでお茶請けに六花亭の季節菓子「新米大福」を用意して待つ。 こんなアンニュイな気分を誘う日には家にこもって静かに晴耕雨読と行きたいところだが、毎日のおうちごはんを預かる身にとって、週末…

こんにちは、ぐりです

チョコレートの海で泳ぎたい妹と、米つぶのビーチに寝そべりたい私。 チーズケーキの枕に顔を埋めて眠りたい妹と、焼き鮭の抱き枕にすがって眠ってみたい私。 日曜の朝はパンケーキの妹と、白いごはんに安息日なんてない私。 食後のスイーツは別腹の妹と、シ…

「かもしれない思考」のススメ

こんにちは、ぐりです。 タイトルに「ススメ」とありますが、諭吉先生の啓発的「ススメ」のような立派なススメではなく、正確には『「かもしれない思考」の(まま)ススメ!』という、自身を鼓舞する応援歌のつもりで書きました。強いて言えば「およげたいやき…

お好み焼きのヘラで作る、せっかちな卵焼き

雲ひとつない澄み切った青空 足跡ひとつない広大な雪原 汚れひとつ知らない天使のような新生児 翳ひとつない鏡のような月夜の湖 そして 焦げ目ひとつないふわふわの黄色い卵焼き さういふものを わたしはたべたい こんにちは、ぐりです。 年の離れた妹は小さ…

私の右目はシャイ(斜位)なのだそうです。

連休最後の午後、最近めっきり目が悪くなったような気がして、久しぶりに行きつけのメガネ屋さんで視力を測ってもらうと、いつも人当たりのよい話上手の店員さんに「あなたは典型的なシャイですね。」と言われた。 唐突に図星を突かれ驚いた私は思わず「どう…

着たい服・着るべき服・着てはいけない服

四十にして惑わずなんて、そんなのとても無理だ。 小さい頃からよく迷子になる子どもだった。40を超えて久しい私は、ゆく川の流れの絶えずして、昨シーズンまではたしかに素敵に着こなせていたはずのスカートがある日突然似合わなくなるといった、あまたの…

地味だけど滋味なもの〜きのこ尽くしの寄せ鍋ともずく酢

きのこ尽くしの寄せ鍋 小さなおかず〜もずく酢 今季最大級の台風が来るというので、本州のはずれの遠い海の町に住む家族たちの様子が気がかりな1日を過ごす。夕方電話で無事を確認してまずは一安心。 ほっとしたら急にお腹が空いてきた。 私にとって家族を想…

心ここに在らずのセルフセラピー〜合挽き肉のハンバーグプレート

合挽き肉のハンバーグ 昨夜から慣れないブログの設定作業に夢中になっていたらお昼を過ぎたあたりで頭が朦朧としてきた。そろそろ晩ごはんの支度をしなくちゃならないんだけど、集中の糸が一気に緩んで食材を見てもなんだか心ここに在らず。仕方ないので無心…

白いごはんに合うバンド、スピッツの新しい魅力「見っけ」

ゆめぴりか スピッツの3年ぶり通算16枚目のオリジナルアルバム『見っけ』が今朝届いた。 日一日と秋も深まり、収穫の季節がなぜかしっくりくるバンド。スピッツの音楽は炊きたての白いごはんに似ている、と思う。 どんなお腹にもよく馴染み、消化に優しく…

残りものは福の味〜キャベツと豚肉の塩バター炒め

小さなおかず キャベツと豚肉の炒め物 残り物には福がある うん、そうね。きっとそうね。そうだといいよね。 〈材料〉 キャベツ 豚肉 バター ひとかけ 塩こしょう 適量 白ごま 少々 〈作り方〉 ① フライパンにバターを溶かし、ざく切りにしたキャベツと一口…

揚げ野菜で盛るフェイクなハヤシライス

とびきり美味しい新玉ねぎを20kg頂いたので、久々にハヤシライスを作った。 ちょうどお肉が余っていたし、玉ねぎたくさん使えるし、白いごはんも進むでしょう。 さっそく使いかけのルウの箱を取り出して材料を確認。 〈材料〉8皿分 本品 1箱 牛肉 200g …う……

規格外ポテトの規格外コロッケ

新じゃがとうやの大きなコロッケ 9月初旬、秋晴れの週明けに収穫を終えた同級生の農家さんから「でか過ぎてハネたのあるから好きなだけ持ってっていいよ」と言われてありがたく頂戴した大きなじゃがいも。 ノーマルサイズの2倍はある初物のハネものに相応し…

寡黙な午後の小さなおかず〜さつま芋の塩昆布煮

小さなおかず さつま芋の塩昆布煮 久しぶりに気の置けない人達と美味しく食べて呑んでたくさんお喋りした夜が明けて、賑やかさの余韻に混ざるちょっと切ない疲労感。 非日常の高揚を鎮めながら黙々と手を動かす午後の台所。 なんとも秋っぽい色味のさつま芋…

好奇心は羽ばたかない

生まれつきの持病があり病院とは切っても切れない間柄にある。 私の身体はどうやら10年スパンで大掛かりなメンテナンスが必要らしく、ポピュラーな風邪など普段はあまりこじらせない代わりに、いったん不調の周期に襲われるとマーヴェリック級のどデカい波に…

楽譜が読めない女、暗譜ができない女

同じ屋根の下に楽譜が読めない女と暗譜のできない女が住んでいる。 ピアノを習い始めて2年ほど経つ。と言っても全くの初心者というわけではなく、幼少時代、小学校に上がるまでのわずかな期間母に連れられて自宅から車で40分かかる先生の自宅まで毎週レッ…

新米ラプソディ2019

9月某日 雨上がりの午後、平たい盆地の真ん中を一直線に伸びる長い道路の脇に広がる、黄金色に染まった稲穂の群生が一斉に頭をもたげて風にそよぐのをフロントガラス越しに眺めながらのんびりと車を走らせる。 豊穣の秋ハズカム。新米カミングスーン。 もと…